2025/11/28

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インフラ企業の引込点検管理システムのレスポンス速度改善 インフラ企業の引込点検管理システムのレスポンス速度改善

案件概要

電力インフラ系クライアントが運用する引込点検管理システムにおいて、点検データの一覧表示画面でボトルネックとなっていた処理やSQLの分析・チューニングを行い、レスポンス速度の大幅な改善を実現しました。表示速度の遅延による業務効率の低下を解消し、システム全体の安定稼働を維持したままUXの向上に貢献しました。

利用した技術スタック及び開発ツール

  • プログラミング言語:JAVA
  • フルスタックフレームワーク:クライアント独自のフレームワーク
  • データベース:PostgreSQL
  • クラウド/サーバー/インフラ:Wildfly server
  • タスク管理ツール:Excel
  • コニュニケーションツール:Mail (Outlook)

クライアントの課題

  • 点検データの一覧表示画面における著しいレスポンス遅延の発生
    現在運用されている引込点検管理システムにおいて、点検案件を一覧で表示する画面のパフォーマンスが著しく低下している状況でした。具体的には、膨大な点検データの検索や一覧表示を行う際に1分以上の待機時間が発生するケースが頻発しており、システムとしての実用性に大きな問題が生じていました。このような長時間のロードは、システムを利用するユーザーにとって大きなストレスとなり、スムーズな業務遂行を妨げる要因となっていました。
  • 業務効率の低下とUXの悪化
    前述のレスポンス遅延は、単なる待ち時間の問題にとどまらず、日々の点検管理業務全体のオペレーションに悪影響を及ぼしていました。画面が表示されるまでの待機時間が積み重なることで、業務全体の処理スピードが低下し、担当者の生産性を著しく損なう事態となっていました。また、操作に対する反応の悪さはUXを大きく損ない、システムに対する信頼性や利用満足度の低下を招く懸念がありました。

クライアントの要望

  • レスポンス遅延が発生している一覧画面の原因調査を行うこと。
  • 対象画面の改修を行い、レスポンス時間を実業務に支障のないレベルまで改善すること。
  • 改修後においてもシステム全体が不安定にならず、既存機能が正常に動作することを保証すること。

当社の提案・アプローチ

  • システム共通仕様の深い理解と遵守
    改修に着手する前の段階として、まずクライアントから提供されたシステム全体の共通対応仕様や規約を徹底的に読み込み、理解に努めました。独自のフレームワークや既存の設計思想を正確に把握することで、システム全体の整合性を保ちながら、適切な修正方針を策定するための土台を築きました。これにより、場当たり的な修正ではなく、既存システムのお作法に則った安全な改修アプローチを実現しました。
  • ボトルネックの特定と処理ロジックの最適化
    レスポンス遅延が発生している一覧画面を対象に、詳細な現状調査を実施しました。プログラム内の処理フローを分析し、どこで時間がかかっているのかというボトルネックを特定しました。その上で、無駄なループ処理や非効率なデータ操作が行われている箇所を洗い出し、レスポンス速度を向上させるために必要なロジックの修正・最適化を行いました。これにより、アプリケーション側での処理負荷を軽減しました。
  • SQLクエリの分析とチューニングによる高速化
    画面表示の遅延の主要因となっていたデータベースアクセスについて、対象となるSQLの詳細な分析を行いました。実行計画を確認しながら、点検データの取得に時間がかかっているクエリを特定し、より効率的にデータを抽出できるようSQLの書き換えやインデックスの活用などのチューニングを実施しました。データベースへの負荷を最小限に抑えつつ、必要なデータを高速に取得できる構造へと改善を図りました。
  • 定量的なデータに基づく改善効果の検証
    修正の効果を客観的に評価するために、SQLの実行時間を改修前後で測定・比較しました。感覚的な改善ではなく、具体的な数値データとして「どの程度速くなったか」を可視化することで、改修の有効性を検証しました。このプロセスにより、目標とするレスポンス速度が達成されていることを確実なものとし、クライアントに対して根拠のある改善報告を行うことを可能にしました。
  • 変更内容の可視化と詳細なドキュメント作成
    実施した改修内容の透明性を確保するため、修正前後のSQLの内容や、プログラム内で変更を加えたメソッドの一覧を詳細に記録しました。どのような変更を行ったか、どの機能に影響があるかをドキュメントとして網羅的にまとめることで、保守性を担保しました。この資料を用いることで、将来的なメンテナンスやトラブルシューティングの際にも、変更履歴を容易に追跡できる状態を整えました。
  • 改修案の事前共有とクライアントとの合意形成
    実際の修正作業に入る前に、画面ごとの改修案や影響範囲をまとめた資料を作成し、クライアントへ送付して確認を依頼しました。提案内容について事前に認識を合わせ、承認を得るプロセスを経ることで、手戻りのリスクを最小限に抑えました。クライアントとの密なコミュニケーションを通じて、意図しない変更を防ぎ、要望に沿った形での改善が進むよう進行管理を徹底しました。
  • システム全体の品質を担保する回帰テストの実施
    一覧画面の改善を行った後、システム全体の再テスト(リグレッションテスト)を入念に実施しました。対象の画面が目標とするレスポンス速度を達成しているかの確認はもちろんのこと、今回の修正が他の機能や画面に予期せぬ悪影響(デグレ)を与えていないかを網羅的に検証しました。これにより、改善後もシステム全体が安定して稼働することを保証し、品質の高い納品を実現しました。