2025/02/18
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産婦人科病院向けの診察予約システム再構築
案件概要
産婦人科病院においては、長らく二つのシステムが併用されていました。
ひとつは妊婦さんが自宅や外出先から診察予約を行うための WebFormベースの予約サイト、もうひとつは病院スタッフが受付や予約管理を行うための デスクトップアプリケーションです。
二つのシステムは、日常的な診療業務を支える重要な役割を担っていました。
しかし、いずれも旧来の技術基盤に依存していたためシステム拡張の困難さ、複数拠点での利用やデータ連携への制約といった課題が顕在化していました。
そこでクライアントは、業務効率の向上と新技術の活用を目的として、両システムを統合した ASP.NET MVCモデルによる新しいWebシステムの構築をアレクシードベトナムに委託しました。
本プロジェクトは、単なる移行ではなく、今後の拡張性と安定運用を見据えたシステム基盤の再設計を目的としたものです。
利用した技術スタック及び開発ツール
- プログラミング言語:C#
- バックエンドフレームワーク: ASP.NET MVC
クライアントの課題
- 予約サイトと受付管理アプリが分かれ、データの整合性管理や運用手順が重複していた。
- WebFormによる、拡張・保守・ブラウザ更新への追随が重かった。
- 複数病院で同時利用する前提の設計(設定分離、権限、共通マスタ)が不足していた。
- アクセス集中時の負荷分散や障害時の継続運用など、高可用性の仕組みが弱かった。
- 旧システムからの安全なデータ移行と、移行後の履歴整合性確保が課題だった。
- WebからPOSプリンターへ確実に出力するためのブラウザ制約対策が必要だった。
- 運用後の頻繁なカスタマイズに迅速・安全に対応できる体制が求められた。
クライアントの要望
運用現場での実効性と将来拡張の両立が求められました。
-
開発体制の柔軟性
初期段階では詳細な設計書に基づく開発を行い、後半は簡易仕様でも柔軟に対応できること -
複数のブラウザでの安定稼働
Google Chrome/Firefox/Microsoft Edgeに対応し安定稼働させること
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旧データの継続利用
既存システムのデータを新システムで参照・運用できること
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遠隔で同時利用ができること
複数の病院で同時に利用できるよう最適化されていること -
負荷分散(ロードバランシング)対応
予約集中帯での性能劣化や単一障害点の回避のために高い可用性を確保できること -
POSプリンターでの受付票印刷
WebシステムからPOSプリンターを制御し、受付票を印刷できること
当社の提案及びアプローチ
まず旧システムの調査と提供された設計資料を分析し、必要な要件を整理しました
要件が不明確な部分については、QAや説明会を通じてクライアントと細かく確認を行い、仕様を明確にしながら開発を進めました。
システム設計にあたっては、将来的な機能追加を見据えてASP.NET MVCモデルを採用し、拡張性と保守性を高めました。
また、複数の病院でも同時に利用できるよう最適化を行い、アクセスが集中する時間帯でも安定して稼働できるようロードバランシングに対応した構成を整えました。
さらに、Webから直接POSプリンターに印刷命令を送れる仕組みを組み込み、受付業務の効率化にも寄与しています。
運用開始後は、頻繁に発生するカスタマイズ要望に対応するため、迅速に改修できる体制を整えました。
システムの安定稼働を維持するため、問題が発生した際には迅速に調査・改善を行い、継続的に改善策を提案することでクライアントの要望に柔軟に対応できました。
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