2025/02/18
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ケーブルテレビ事業者向け顧客管理システムiPlatのバージョンアップ
案件概要
ケーブルテレビ事業社向けの既存の業務システムであるiPlatを対象に、Windows 10 環境から Windows 11 へ移行した場合でも機能・表示・操作性が維持されるかを総合的に検証しました。Chrome と Microsoft Edge の双方で全画面・全機能について証跡を取得し、Windows 10 との比較評価を実施。差異が確認された項目は原因を切り分け、修正案を提示したうえで再検証までを行いました。
利用した技術スタック及び開発ツール
- プログラミング言語:Java、JavaScript
- フルスタックフレームワーク:Struts、Spring、iBATIS
- データベース:Oracle
- タスク管理ツール:Redmine
- コニュニケーションツール:Slack
クライアントの課題
サポート終了に伴うリスクの顕在化
Windows 10 向けに構築・運用されてきた本システムは、OS のサポート終了によりセキュリティパッチ提供や最適化の観点で不確実性が増大。将来的な脆弱性やパフォーマンス低下の懸念があり、早期に移行判断の材料を得る必要がありました。
アップグレード時の互換性リスク
Windows 11 へ移行した際、既存機能が同等の挙動を保つかが不明確でした。特に画面遷移・表示・入力・処理・出力といった一連のユーザー操作で想定外の不具合や挙動差が発生する可能性があります。
網羅的な品質確保の必要性
単発的な動作確認ではなく、全画面・全機能を対象とした総点検が求められました。Windows 10 と Windows 11 の双方で結果を突合し、差分の有無を可視化。各確認には証跡(エビデンス)を残し、のちの分析・説明に耐える形で管理することが要件でした。
クライアントの要望
- Windows 11 環境で全機能を検証し、Chrome/Edge の両ブラウザで確認すること
- Windows 11 と Windows 10 の動作結果を比較し、各画面・各機能ごとに証跡を記録すること。
- 不具合を検出した場合は調査を実施し、修正案を提示すること。
- 検証中に問題が発生した場合は即時に報告すること。
当社の提案・アプローチ
検証観点の定義とテンプレート化
本システムの画面一覧を起点に、操作(画面遷移/表示/入力項目)、画面要素(タブ、親子画面、コンポーネント、ボタン)を棚卸し。各要素に対し「遷移可」「表示可」「値取得可」「入力可」「選択可」「ボタン押下可」などの観点を設定し、全画面で使い回せる共通テンプレートを作成しました。
二環境・二ブラウザでの証跡取得と結果突合
Windows 10/Windows 11 の両環境で同一観点に基づく確認を実施し、画面・機能単位で証跡を取得。Chrome/Edge それぞれで結果を収集し、OS/ブラウザの組み合わせによる差異を抽出。差分が見つかった場合は再現手順と発生条件を明確化して管理しました。
ユーザー操作と表示品質の重点確認
ユーザー操作の正当性(遷移、表示、入力、処理、出力)について期待値との一致を確認。併せて、Windows 11 上での表示において文字配置・コンポーネントの見え方・画面レイアウトが Windows 10 と同等であるかを検証し、見た目起因の使い勝手低下がないかを点検しました。
早期共有・原因調査・再検証のサイクル化
差異や不具合を検出した際は即時に報告し、原因を切り分けて修正方針を提示。修正反映後は同一観点で再度検証し、解消を確認。この流れを小さな単位で繰り返すことで、影響範囲の明確化と安定性の担保を図りました。
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