2026/01/28

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【DX戦略】VB6マイグレーションガイド:VB.NET、C#、SaaSのメリット・デメリットと最適な判断軸

【DX戦略】VB6マイグレーションガイド:VB.NET、C#、SaaSのメリット・デメリットと最適な判断軸

1998年の登場以降、開発の容易さと生産性の高さから、販売管理、在庫管理、会計システムなど、日本企業のあらゆる基幹業務システムで採用されてきたVisual Basic 6.0(以下、VB6)ですが、
OSの進化と共にその役割を終えようとしています。

レガシーシステムと言われ長きにわたり現場を支えてきたVB6ですが、サポートの終了などに伴いマイグレーション(移行)を検討する企業が近年増えてきています。

一般的にはVB6の正統後継とされるVB.NETへの移行がベターな選択肢とされてきました。
しかし、DX(デジタルトランスフォーメーション)が叫ばれる現代において、VB.NETへのマイグレーション以外の選択肢も検討してみてはいかがでしょうか?

今回は、数多くのVB6マイグレーション案件を手掛けてきた実績をもとに、今検討すべき「最適な移行先」について解説していきます。

VB6をマイグレーションしないといけない理由(再確認と経営リスク)

移行先の検討に入る前に、なぜVB6からの移行が必要とされるのか、その背景にある4つの事実を整理します。

1. Windows 10 のサポート終了

2025年10月のWindows 10サポート終了に伴い、VB6が安定して動作するOS環境が失われました。
後継のWindows 11環境下では、VB6の動作保証は限定的であり、画面表示の崩れや機能不全といった互換性の問題が発生するリスクが高まっています。

2.セキュリティパッチの未提供と脆弱性

言語自体のサポートが終了しているため、新たな脆弱性が発見されても修正パッチは提供されません。
また、VB6標準の通信規格(SSL 3.0等)は現代のセキュリティ基準を満たしていないため、そのまま利用し続けることは情報セキュリティおよびコンプライアンス上の課題となります。

これは単なる技術的な課題ではなく、システムで取り扱う顧客情報や機密情報に対する企業責任(法的リスク)に関わる問題です。
サポート終了後の情報漏洩は、経営に甚大な影響を及ぼしかねません。

3.64bit環境・最新ハードウェアとの非互換

現在のOSや周辺機器(プリンタやハンディターミナル等)のドライバは64bitが標準です。
32bitアプリケーションであるVB6は、これら最新のハードウェア環境と正常に連携できないケースが増加しており、機器の入れ替え時に業務支障が出る可能性があります。

保守エンジニアの減少と高齢化

VB6開発経験者の高齢化と定年退職が進む一方で、新規にVB6を習得する若手エンジニアはほぼ不在です。
国内の人材市場において、既存システムの保守や改修を行えるエンジニアの確保は年々困難な状況となっています。

徹底比較:VB6マイグレーションの3大移行先と選定の判断軸

ここからが本題です。VB6からのマイグレーションを考えているものの、マイグレーション先としてはどういった選択肢があるのでしょうか?

選択肢1. VB.NETへのマイグレーション(ストレートコンバージョン・リホスト)

まず検討されるのが、VB6と同じMicrosoft製品であり、後継言語にあたるVB.NETへの移行です。
これは既存のソースコードを変換ツール等を用いて移行する手法で、一般的に「ストレートコンバージョン」や「リホスト」と呼ばれます。

【メリット】
最大の利点は、VB.NETがVB6の言語仕様を継承した後継言語であるため、マイグレーション用の変換ツールやノウハウが活用できる点です。
Microsoft公式のアップグレードウィザード(現在は提供終了)の技術を継承したサードパーティ製ツールなどが存在し、これらを利用することで、機械的にソースコードを新環境へ移行することが可能です。

既存のビジネスロジックを破壊せずに持ち越せる点もメリットの一つでしょう。
20年以上稼働しているレガシーシステムでは、「仕様書が存在しない」「担当者が退職して計算式の意味が誰にも分からない」というブラックボックス化が頻繁に起きています。
VB.NETへの変換であれば、機械的な置換により計算ロジックや業務ルールをある程度維持できる可能性が高まります。
その結果、工数の短縮化によりコストと開発時間を他の開発方法に比べて抑えることができます。

【注意点】
Microsoftの技術ロードマップにおいて、現在のイノベーションの主軸はC#などの言語に移っています。VB.NETは、過去の資産を大切にする安定した技術としてサポートは継続されていますが、新しい機能の追加や進化については、C#に比べると保守的な立ち位置となっています。

「現在の業務をそのまま、安定した環境へ移す」という目的には非常に適していますが、将来的にAI連携や最新のクラウド技術を積極的に取り入れていきたい場合、技術的な選択肢がやや狭まる可能性がある点は考慮しておく必要があります。

また、一般的に、変換ツールでカバーできる範囲は限定的であり、全工程の約50%前後はエンジニアによる手動修正やテスト作業が必要になると言われています。
「ツールがあるから簡単に終わる」という認識は危険です。

選択肢2:C#・Web言語によるモダンリビルド(DX推進)

仕様を一から定義し直し、C#やJavaScript などの現代的な標準言語を使ってシステムを作り直す方法です。多くの場合、Webシステム化を伴います。

【メリット】
最大のメリットは、将来にわたる持続可能な開発体制と、変化に強いビジネスの拡張性を同時に手に入れられる点です。

人材面では、現在のエンジニア市場ではC#やJavaScriptなどのWeb系言語が主流であり、これらを採用することで、将来の保守・運用を担う若手人材の確保が容易になります。
VB系技術者の高齢化が進む中、「システムはあるが直せる人がいない」という属人化リスクを根本から解消できるのは、長期的な企業運営において極めて大きな利点です。

さらに、Webシステム化により、従来のクライアントPC管理から解放され、リモートワークなど柔軟な働き方にも即座に対応可能です。
最新のAI技術や外部クラウドサービスとの連携もスムーズになるため、単なる業務処理ツールとしてだけでなく、データを活用して新たな利益を生み出す攻めのDXへとシステムを進化させることができるのです。

【注意点と対策】
リビルドとなるため、コストや期間はVB.NETへの移行に比べ2倍以上になるケースも珍しくありません。
また、画面や操作感が変わることによる現場の混乱も予想されます。現場からの反発は避けられない課題ですが、リビルドは要件定義のやり直しに等しいため、経営主導の「業務改革」として捉え、強いリーダーシップで組織の文化を変えていく姿勢が必要不可欠です。

選択肢3: SaaSやローコードプラットフォームへの転換

「そもそも、自社専用のシステムを開発する必要があるのか?」という視点から、既存のSaaSやローコードプラットフォームを使うという選択肢もあります。

【メリット】
導入スピードが圧倒的に早く、インボイス制度などの法改正対応もベンダー側に任せることができます。
また費用も一からリビルドすることを考えると非常に安価にはなります。

近年、Kintone(キントーン)やMicrosoft Power Platformなどのローコードプラットフォームを活用し、システムを置き換える動きも活発です。
プログラミングの専門知識が少なくても開発が可能であるため、業務改善や改修を行いやすくなるというメリットがあります。

【注意点と対策】
自社の業務フローがそのSaaSの機能に合致するかを慎重に見極める必要があります。
「良さそうだと思って検討したが、必要な機能が足りなかった」という失敗を防ぐため、事前の検証が重要です。
またこれまでの自社独自のやり方を見直し、ツールに合わせた業務フローに変える必要もあることを忘れてはいけません。

まとめ

今回はVB6を使い続けるリスクと、主な移行先について解説しました。
当社でも数多くの案件をご支援してきましたが、VB.NETへ移行して業務の安定性を最優先するケースもあれば、C#でリビルドしてDXを一気に推進するケースまで、正解は企業の状況により様々です。

重要なのは、単に「古いシステムを置き換える」ことではなく、「5年後、10年後の自社がどうありたいか」 という視点で移行先を選ぶことです。

予算や納期だけでなく、企業の未来の方向性と照らし合わせ、最適なルートを選択してください。

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